2025年4月15日、大塚maru。
この日を、きっと一生忘れないと思う。
ライブの途中…
少し手が震えながら一枚の紙を取り出した。
「メジャーデビュー決定!!」
そう書かれた白い紙を、客席に向かって掲げた。
派手な演出も、大げさな言葉もいらなかった。
ただ、顔が見える距離にいる人たちに、
ちゃんと自分の言葉で、直接伝えたかった。
10代で音楽を始めて、何度も折れかけた。
でも辞めなかった。辞められなかった。
地元で歌い続けてきた日々は、
この夜のためにあったんだと、初めて思えた。
紙に書いた文字は、手描きで不恰好だったかもしれない。
けれど、どんな公式な発表よりも、
あの瞬間の一枚にこそ、僕の音楽人生が詰まっていた。
メジャーデビューはゴールじゃない。
でも、ここまで来たことは、やっぱりちゃんと記しておきたい。
歩いてきた道のりも、一緒に歩いてくれた人たちの顔も、
この先、決して忘れない。
買ってきた筆と墨。
小学生の頃以来のこの感覚に勢い任せで…
「でっかく書いた、“決定!!”」
MCの流れも、照明のタイミングも確認してたのに、
肝心の“あの紙”だけが、ギリッギリに完成。
筆で書いた「メジャーデビュー決定!!」
文字のバランスは悪いし、何かちょっと幼稚園児の張り紙みたいだし(笑)
でも、なんかそれが良かったんだよね。
どれだけ年を重ねても、嬉しいもんは嬉しい。
ちゃんと声に出して、ちゃんと掲げたかった。
大塚maruのあの空間で、
ファンのみんなの顔が見えて、
ちょっと泣きそうになったけど、
それよりも、なんか笑えてきて。
「よくここまで来たな〜」って自分にツッコミ入れながら、
「ここからだぞ」って背中も叩いてる感じ。
メジャーデビューって言っても、
魔法がかかるわけじゃない。
相変わらず自分でギター背負って、
電車乗って、ライブやって、
こうして筆を取ってる(笑)
でも、誰かと一緒に喜べる日が来たことが、
何よりの「決定!!」だったなって思う。
決定的瞬間を目撃してくれて本当にありがとう。